柔軟剤プラグインで着物の袖物理を入れよう

着物の袖物理の入れ方を知りたいというお言葉があったので、簡単に自分がやっている設定方法を紹介します

 

ウェイト、剛体、物理設定はすべてPMXエディタ上で行います。

 

必要なプラグイン

・AddTwistCancelIKプラグイン

PMDE用プラグイン AddTwistCancelIK - BowlRoll

・柔軟剤プラグイン

柔軟剤プラグイン_v017 - BowlRoll

・闇鍋プラグイン

闇鍋プラグイン - BowlRoll

・ウェイト転送プラグイン

TransferWeights(PMX) - BowlRoll

こちらの4つになります

 

1.袖と、ウェイト用ダミー材質の作成

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袖は均等なポリ割のほうが制御しやすいと思います。肩からつながる胴体部分とは別材質にしましょう(ウェイトを塗りやすくするため)

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袖は厚みをつけたり裏材質があってもかまいません

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ダミー材質です。袖とほぼ同じポリ割にしたただの板ポリです

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ダミー材質は袖の裏表のちょうど中間あたりに配置しましょう

PMX形状などで書き出して、PMXエディタに持っていきます

このとき、ダミー材質はわかりやすく「袖ダミー」等の材質名にしましょう

 

2.捻りボーンキャンセルIKの作成

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PMXエディタで開きました。袖は素体のウェイトをそのまま持ってきたので、左肩、左腕、左腕捩、左腕捩1.2.3.左ひじ、左ひじ捩、左ひじ捩1.2.3、左手首のウェイトがかかっています

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左腕ボーンを選択後、AddTwistCancelIKプラグインを実行します

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プラグインを実行すると、左腕IK、左腕+、左腕IK先ボーンが作成されます。

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ひじも同じく左ひじボーンを選択後、プラグインを実行します。
右の袖が必要な場合は、右側も同じ作業を繰り返してください

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ちょっとスクショが前後していますが、左腕+、左ひじ+ボーンを選択後、表示ボタンを押し、編集→選択ボーン→基礎剛体の作成―ボーン追従で、左腕+、左ひじ+の剛体を作成します

 

3.ウェイト置き換え

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左腕や左腕捩ボーンのウェイトを、左腕+ボーンに置き換えます

袖全体を選択します

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闇鍋プラグイン→VERTEX→選択した頂点のウェイトボーンを置き換える

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変更元ボーンは左腕、左腕捩、左腕捩1.2.3それぞれ

変更先ボーンは左腕+

左ひじも同じく

変更元ボーンは左ひじ、左ひじ捩、左ひじ捩1.2.3それぞれ

変更先ボーンは左ひじ+

で置き換えを行ってください

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面倒くさいときは左腕+で100%、左ひじ+で100%で塗ったあと、こんな感じでざっくりしたグラデーションに塗ってください

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ダミー袖材質も同じように左腕+と左ひじ+で塗ります

 

4.柔軟剤プラグインで物理設定

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袖ダミー材質だけを表示させ、腕ボーンの真下あたりの頂点を選びます(物理が始まる箇所なのでこれはお好みで)

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柔軟剤プラグイン→準備完了→段組み取得をした画面です。1頂点1剛体ぐらいにしたいので取得した段組みと同じ数値を剛体の段数に設定します

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剛体数振り分けを押した後、予定剛体数を頂点数と同じ数に手打ちで変更します(一定の数で自動計算してくれないことがあるため)

最下段剛体質量はお好みで
追加オブジェクトは左○○としておくと右袖をそのまま鏡像コピーできます
親ボーン指定は必ず左腕+に

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実行するとこんな感じで1頂点に1ボーン1剛体が出来上がります

 

5.ボーン親子関係変更

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このままだとすべてのボーンが左腕+につながっているのでひじを曲げてもおいていかれます

なので、ボーンタブを開いた状態で、ひじにかかる袖ボーンをすべて選択します

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ボーンタブで、ひじにかかるボーンが選択されている状態で、親ボーンを左ひじ+に変更します

 

6.剛体の大きさ調整

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柔軟剤プラグインを実行しただけの状態ですと、剛体の大きさが0.2になっていますが、この大きさだと小さすぎて剛体が暴れます。なので0.4~0.6程度に袖剛体すべてを選んで大きさを変更します。

非衝突グループは、袖は振り回すことが多く、体や足に干渉して跳ね返るとかえって絡みやすくなるので、私はあえて全部突き抜けてもいいように地面剛体である16以外はチェックを入れたままにします

(スカートや高杉生前の上着裾などは衝突グループをきちんと設定しています)

 

7.ウェイト調整

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TransformViewで、袖ダミー材質だけを表示し、ひじを曲げてウェイトを確認します。へこんでいてちょっと不自然な感じがします。

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ウェイトをこんな感じに再調整しました

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いい感じになりました!

 

8.ウェイト転送

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ウェイト転送プラグインで、袖ダミー材質全体のウェイトを保存します

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袖材質のみを表示し、袖ダミー材質で保存したウェイトを読み込みます

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動いたよー!やったー!

 

9.肩口の設定

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最後に、袖材質の肩口付近が左腕+で100%で塗られているはずなので、肩口の胴体着物材質のウェイトに合わせて塗り直してください

 

10.おまけに

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ひじ周りの肌材質は曲げるとどうしてもはみ出してくるので、手首よりちょっと上くらいから非表示にして、袖口はふたをするようにしてしまうと楽です

見えないところはゴリゴリ非表示しましょう!(楽したいだけ)